中学生までは「いい子」だったのに。高校生になって、こんなに言うことを聞かない子供になるなんて。勉強はしない、逆ギレして怒りだしたり、無視したり。
親にとって「いい子」でいることが、子供の本意じゃなかっただけかもしれません。
「悪い子」になった原因は子供だけにあるのか?現象だけみてイライラしてる場合じゃありませんよ。
今まではいい子だったのは親が何でもやってあげてたから
子供がとにかく可愛くて、もうなんでもしてあげたい。あれもこれもと手を出し口を出し。
林間や修学旅行、学校行事の度に準備するのは当然ママ。宿題ちゃんとやったかどうか、一から十まで見てあげる。
どっか遊びに行くと言うと車で送ってあげる。習い事や塾の送迎は当たり前。忘れ物に気づいたら学校まで届けてあげたり。
子供に元気がなさそうだと、どうしたの何かあったのって優しく聞いてあげる。欲しがるもの、お友達みんなが持ってるものは何でも買ってあげる。
何をおいても子供第一優先、あなたはこんなお母さんですか?なんて素敵なお母さんなんでしょう!いつでも子供のこと思ってくれてる優しいお母さん。母親の鏡ですね。
でも本当は子供にとっては、単に都合のいいお母さんってことになるんです。
自分が何も言わなくても黙ってても、母親は自分が行動を起こすよりも先に、なんでも自分の思い通りのことをしてくれるんだから、そりゃあ便利でしょう。
子供自身は何もしなくていいから。子供も何でも言うことを聞くというか、反抗する必要がない。
親からしたら「いい子」です。あなたはもしかしたら、うちの子はいい子で反抗期なんてないわ、なんて中学生の頃は思ってたんじゃないですか?そう一見理想的な親子ですよね。
じゃあ、なぜ今、子供は言うことを聞かない「悪い子」になっちゃったんでしょう?
あなたが優しいお母さんであること、まさにそれが原因かもしれません。
高校生が言うことを聞かなくなった理由は過保護への拒否反応
子供は高校生になって、なんか違和感を覚えるようになったのです。何でもしてくれるけど、それは何でもママに決められてるってことじゃない?なんてね。
高校生にとっては、なんでもやってくれる親がめんどくさくなることがあります。過保護な親は同時に過干渉な親であることが多いですからね。子供の問題にいちいち首を突っ込んでくる、子供にとって迷惑な口出し手出し。
もういいよ、自分でできるからほっといて。そんなふうに感じるようになって当たり前です。
言うことを聞かない子どもになった、というのは、子供の、これまでの親子の関係性を変えたいというサインです。
でも子供からの貴重なサインに気付かずに、こんな過保護タイプのお母さんは、悩んじゃうんです。
いままでこんなになんでもやってあげたのに。どうして?って。
一度冷静に考えてみてください。あなたはどうして子供に何でもやってあげていたのですか?
あなたのメリットがあったから、ですか?そのメリットって何なんでしょう?あなたは子供に何かを期待していたのでしょうか。見返りを求めていたのでしょうか?
ただやりたくてやってあげてた、もしそうなら、子供が言うことを聞こうが、聞くまいが関係ないですよね。子供の勝手です。
あなただって、勝手にやっていたことなんだから。
それでも「のに」が堂々と登場してしまう。「のに」って言うのは、次に続く動作の主体を責める言葉。要するに言うことを聞かなくなった子供が悪い。
原因を自分以外のものに求めていては、問題の解決は難しくなっていくばかりです。
方向性を間違えてたら、物事はどんどん悪くなる方へ進んでしまうものです。そのまま突き進むと、軌道修正にはとんでもない努力が必要になっちゃいますよ。
過保護な親と子供の関係性は、居心地のいい主従関係
高校生になっても自分自身とあまり深く付き合うことをしない子は、 母親がつくってくれたこのぬるま湯に浸かりきって、大人になろうとしないまま過ごしてしまいます。
まるで主従関係の様な親子関係が続いていくわけです。この場合、主は子供の方ですね。
本来こんな親子関係は不自然です。でもこれは親子共に非常に居心地のいい関係性でもあるので、本人たちに問題視されない。
将来的に子供がニートや引きこもりという状態になってしまったりしたら、そこでやっと慌てるのですね。
「私が何でもしてあげてしまってるから、 何もできない子になってしまったの~」、なんて成人過ぎた子供のことを嬉しそうに言っている人がいました。「これじゃダメだなと思うんだけどね、でもやってあげたいでしょ。」
ハイ、いいと思います。子供より長生き出来る自信があるのなら。
高校生の子供を、毎日駅まで送迎してるっていう人がいて、帰りは子供からのLINEで迎えに行くそう。「なんか疲れてて昼寝しちゃって。LINEに気づかなかっただけなのに、なんで迎えに来ないのっバスで帰ってきたよっ、ってすごい怒るんだよ。ひどくない?」
そうだね、ひどいね。でもそもそもなんで毎日送迎してんの?バス乗ったらすぐ帰れるんだし、自転車って手もあるよね。ウチなんて雨の日に送ってあげたら、すごい喜ぶよ。送ってくれるの、ありがと~って。なんて言ってみました。
でもその人結局、「あ、子供からラインだ、迎えに行かなきゃ」って帰っていきましたね。ハイ、いいと思います。また子供に怒られてください。
と、こんなふうに私の周りにも、私からすれば信じられないくらい、子供に優しいお母さんたちがたくさんいます。嫌味とかじゃなく、本当にいいお母さんたちだと思います。
でも、こういう親を別の言葉で過保護と呼ぶこともありますね。
もしあなたが思い当たることがあるのなら、できるだけ早く路線変更した方が賢明です。親の言うことを聞かないという行為で、子供は警告を鳴らしてくれているのです。
愛情かけて育てるということと、親が自分の都合のいいように可愛がると言う事とは別物です。
過保護ママは、親の価値観を子供の価値観だと錯覚させる
優しい過保護ママは「あなたのためよ」が得意です。そうして、無意識にじわじわと子供に親の価値観や親の夢をおしつけているのですが、本人はそのことに気づきません。
子供も親の価値観が自分の価値観だと思い込んでしまうことがあります。洗脳、といってもおかしくないかもですね。
そして親の言われたとおりに行動するいい子ちゃん、親の思う通りの理想の子供になってくれます。
親子関係も一見良好で、中学生くらいだと、うちの子は反抗期がないの~という余裕のお母さん、友達親子でまわりから羨ましがられたりする場合が多いのです。
でも将来のある時から子供は苦しくなる。他人のつくった価値観では、人は本当には生きていけないから。でも苦しいからそれを親のせいにするようになる。
親の言うとおりにしてきただけだから、自分のせいではない。そんな思考になってゆくのです。結局自分の人生、自分で生きていないわけです。
高校生が自立できるよう、過保護ママから脱却する
あなたが路線変更できずにずっと過保護ママでいると、子供は困った大人になってしまうかもしれません。
自己中心的で周りに感謝できない、自分の思い通りになるのが当たり前だと思う、思い通りにいかないことをすぐに他人のせいにする。
こんな、みかけは大人、でも精神的にはずっと子供、にです。将来社会に出たとき、子供自身が苦しむことになります。
そのときも、あなたは子供に何でもしてあげることができるんでしょうか?
あなたが代わりに子供の悩みを解決したり、上司との関係をうまくいかせたり、恋愛を成就させたり・・・なんでもやってあげることはできるんでしょうか ?
代行には限界があります。代行してあげることは一番の解決方法のように思えますが、実は何も解決していません。目先の楽な方法を選んで、解決を先延ばしにしただけです。
子育てで必要なのは代わりにやってあげることではなく、自分でできる力、自立力をつけさせることです。そのために高校生に必要なのは、見守ってくれている親の適切なサポート。これは代行よりもはるかに忍耐が必要で、難しいことですよね。
でも今あなたは、意を決して代行をやめて、即刻そちらにシフトしなければなりません。子供も望んでいることです。
高校生の今、言うことを聞かない子供になったのなら、本当にラッキー。社会にでてからというのでは遅すぎです。
親子の関係性を見直す絶好の機会がやってきましたね。今ならまだ間に合います。軌道修正可能です。
さあ 子離れすべき時がやってきましたよ!!
要は少し遅めの反抗期が来てるだけ。それを受け入れる
第二反抗期というと、中学生14歳前後のイメージが強いですが、17歳ころ高校生になってやっと反抗期が来るっていう子もいます。人それぞれ成長はマイペースでいいんです。
反抗期とは自我を確立する時期。自分に自信をもつための土台、自己肯定感の根っこをつくる時期。
反抗期の時期は、それまで積み上げられてきた親子関係がどのようなものかによっても、大きく影響されます。早いからいいとか、遅いから悪いとかでもないし、場合によっては反抗期がなくても問題ありません。
いずれにしても、その子にとって最適な時期に反抗期がくるのです。
「くそばばあ」って言われたら、おめでとう!です。良かったですね!今までの子育てがしっかり実を結んだ証拠です(笑)。
あなたが、子供が中学生の頃に、反抗期がなくて大丈夫かしらって悩んでいたのなら、ここでほっとひと安心ですね。反抗期がきた、万歳!で大らかに見守ってあげてればいいですよ。
今まで親に言われたことを何の疑問もなくやってきた素直ないい子も、大学進学や就職など自分の将来について真剣に考えなくてはならなくなった時、親の言う通りにできなくなるのですね。
自分はこんなことがしたい、自分はこんな学校に行きたい、そういう思いが強くなって、それが親の期待と違ってしまった時、子供は戸惑ってしまうのです。
で、親からすれば、言うことを聞かない子供になってしまうわけですが、これは子供の正常な反応です。
子供にしてみれば、自分の人生を生きる準備を始めただけ、ということなんですよ。 本当に喜ばしいことです。
今あなたができることは、心配してあれこれ口をだすことではなく、信頼してゆったりと見守ることです。
とにかくおめでとうございます。言うことを聞かない子供になってよかった!
まとめ
子供に対して、「いい子」や「悪い子」といったジャッジは全く無意味です。そんなの親の都合による勝手なラベルづけだからです。
言うことを聞かない子供になったのなら、それは今が明らかに親子関係を進化させるチャンスのときだということ。
子供は成長している。あなたも一緒に成長しましょう。それができないと親子関係はどんどんややこしくなります。
ここはあなたが変わるビッグチャンスでもある。この機会を逃しちゃだめですよ。
あなたの子供が本当にやりたいことや好きなことをして、その子がその子の価値観で自分自身の輪郭をつくっていくこと、自分の人生を生きていくことを、あなたは見守る。必要なら手助けする。それでいいのです。
親の価値観をおしつけるのではなく、子供の価値観を認め、サポートする。同時に親の価値観も認めてもらう、子供なりにサポートしてもらう。
親は自立した大人であること、子供は自立した大人に成長していくことが大切です。
将来自立した大人同士として、適切な関係性を築いていけると素敵ですよね。
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子供が言うことを聞かない!中学生高校生にはどう対処する?
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